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レティシャは、俺を許してない?
この人が――校長が――魔王が――呟いた一言が胸にチクリと刺さった。
今まで見たどの顔とも違う。
庇護欲を掻き立てる弟の顔――自分の妹に感じたことがあったかどうか怪しい――がちらりと覗き、消えた。
その瞬間、この人が自分の母の弟なのだということが、現実味を持った。
簡単に避けられたろうに、校長はあっさりと机の上に押し倒された。
話すこともやめないし、予定通りと言うことなのか。
自分に押し倒されることが!
と、そこで相手の声が止まったので、訝しげに顔をあげる。
「女とは違うぞ。お前、男の経験はないだろ?」
「え?ええ」
整頓された戸棚とデスクが端に映り、背中に軽い衝撃があってから自分が反転したのだと自覚する。
この三年でさらに体技を磨いたと自負していたにもかかわらず相手の腕さえ見えなかった。
どれだけ差があるというのだろう。
小さく嘆息して、視界の下にいた校長を、頭を少しもたげて見やる。
整頓されたデスクの上に倒れたマヨールの上に膝立ちでまたがる校長。
その長いローブはマヨールの胸にまで被さっていた。
もし今この部屋の主が帰ってきたら、いや、主でなくても誰かが入ってきたらあらぬ誤解を受けるに違いない。
「あの」
「今相手にする時間はない。まあ吐かない限りあるともいえる、が」
校長が腰を落とした。
その薄い尻の間に自分のものが当たってようやく自分が勃起していることに気がついた。
目の前の校長が苦笑を漏らす。
「さすがに、な」
ぐり、と校長の尻が股間を撫でた。
さすがにと言いながら刺激してくるのは、何か意図があるのかないのか。
ぐっと唇を引き結んで見上げると、校長は僅かに笑んで軽やかにデスクから飛び降りた。
「もう平気か?」
「え?」
肩をすくめて見せる校長に、そういえば先ほど悩まされた嘔吐感が消えていることに気づく。
からかわれたのか、気をそらせるためにしたのか――恐らく両方だろうと思う。
なので敢えて礼は言わなかった。
(言っておけばよかったかな)
飛び散った肉片に胃が締め付けられた。
それでも吐いてしまわないのは、その度に校長を思い出すからだ。
つまりこんな状況が続く間はアレが頭から離れないわけで――
「やっぱりお礼はしなくていいよね」
「え?」
「いや、なんでも」
さすがにイシリーンもこの惨状を前にしていつものようには振舞えないようだ。
飛び散った肉片をまたぎながら、魔王の校舎を後にする。
敗北した魔王が、それでも打たない手を打つために。
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ともひと
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