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「アレなんだ?」
「てるてる坊主です」
「なんか、すごく見覚えがある顔がついてるんだが」
「てるてる坊主に顔を書いてみました」
「うん、いや、そういうことじゃなくてだな」
カーテンレールに吊るされたジェノス作のてるてる坊主としばし目を合わせてから、手に持っていたアイスを口に入れた。
じめじめとした日の昼過ぎは外と中とどちらがましだろうか。少なくとも今に限れば、2体目のてるてる坊主を真剣な表情で作るジェノスがいない外の方が過ごしやすそうな気がする。
「先生は」
「ん?」
「暑い日はシャツを脱いでいらっしゃいますが、逆に不快ではないのですか?」
「何が?ああ、汗か?暑いとは思うけど汗はあんまりかいてねーよ」
「先生は汗をかかないのですね」
「いや俺もかくよ?冷や汗とか」
「先生が・・・冷や汗?」
考え込むジェノスを横目にアイスの棒をゴミ箱に放り投げる。ゴミ箱のすぐ後ろの窓ごしに、ベランダに落ちる雫が見えた。
その一角だけが濡れているので、窓に擦り寄って真上を見てみる。上の階のヒビ割れから落ちて来ているようだった。
「老朽化なのかな」
「怪人か何かがぶつかった衝撃で出来たものでは?」
「ここまで怪人が来たことあったかなあ」
家の目の前が過去最高に近かった場所だと思う。だから違う気がする。ジェノスにそう言うと、管理人か何かを呼ぶべきではと言うので、放っておけと言った。
もう一つアイスが食べたい。しかしアイスの特売日までの日数分しか残っていないことを考えると、我慢すべきじゃないかと思う。
「なあ、ジェノス」
「はい」
「どこかに冷たそうな怪人はいねえかな」
「カキ氷にしてしまうおつもりですか」
「アイスがいいな」
ぽたん、とまた水滴が落ちて来た。床に当たって砕けて流れる形がソフトクリームに見えてくる。うん、我慢はしないほうがいいんじゃないか?
「アイス・・・食いてえな」
「次のセールでは2箱買いましょう」
「おー」
読みかけだった本を開いた。キングに借りた本だ。萌はわからないがこのヒロインはかわいい。
そうだ、冷凍庫を空けておく必要があるな。アイス以外に何が入っていたか。
「一昨日作ったハンバーグの余りが冷凍されています。それを食べれば3箱買えるかもしれません」
「俺今声に出てたか?」
「え?はい。萌はわからないの下りから聞こえています」
恥ずかしいのでジェノスに背を向けて転がった。途端窓の向こうのアイスの形に見える水たまりが目に飛び込んできて、気付くとアイスを手に持っていた。
「明日の分ですか?」
「・・・ウン、明日の」
金曜日に足りないアイスを求めてコンビニに駆け込む予感がしたが、夏の暑さのせいにしよう。
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