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 どんな服を選べばいいかわからなかった。
 何しろデートなんてものは始めてだったから。
 まともな服なんてずっと買っていない。
 着古してボロボロになったシャツしか持っていない気もする。
 それも先生が繕ってくれている大切なシャツだ。
 先生を見た。
 いつものラフな格好をなさっている。
 もしかしてデートだと伝わっていなかったのだろうか。
 OPPAIシャツの図柄を目に入れないようにしていればなんてことはないのだが。
 そういえば、先日キングがサイズを間違えたと言いながら持ってきた服があったはずだ。
 何かいいものはあるだろうか。
 派手すぎず、地味すぎない、そんなものが。





「で、それにしたのか」
「はい」
 微妙に色が違う茶色の不規則な縞模様で染められ、左胸に小さなロゴ。
 キングはどこで買ったのか。
 似合っているいないの前の問題だ。
「…いつもの服でいいんじゃね?」
 いやむしろいつもの服の方がいい、と言えば鬼サイボーグなんて呼ばれている男が顔を輝かせて着替え始めた。
 セールの時間までまだまだだ。
 散歩に行こうと誘ってきた時の緊張感はなんだったのか。
 てっきり修行とかめんどくさいことを言われるのだと思っていた。
 洗濯機に突っ込まれた茶色の縞模様が縁に引っ掛かっている。
 あれは明日着ようと思っていたシャツだった。
 まあ、明日には乾くだろう。
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