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「あー、親父から俺に変わるついでに組織が変わるっていうのは・・・
 もう話してあるんだっけか?あ、話した?
 えーこの間こいつが話した通りだ。
 そのついでといっちゃなんだが、こんなところを変えて欲しいという
 要望をだな、募集しようと思う。
 玄関前に箱を置いておくから、なんかあれば投書してくれ。
 なんでもいい。あ、記名はしなくていいぞ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「どうした、シンタロー」
 要望書に目を通していた新総帥が机に突っ伏してしまったので、キンタローは声をかけた。
 突っ伏し、黙ったまま、右手の紙の束をバッサバッサと揺らしている。
 見てもいいのかと尋ねると、おうと返ってきた。
 受け取った紙の束を丁寧に読んでいたキンタローはしばらくして、至極真面目な顔で言う。
「すぐに改善できるものばかりでよかったな」
「あああ!?オカシーだろ!」
「何故だ?ここに書かれているのは俺も感じたことだ」
「えぇ・・・マジかよ・・・」
「そっちの紙はなんだ?」
「あ、これは全部同じやつからだから気にしなくていい」
 机の脇に避けられた3cmほどの高さがある紙の束だ。
「いや、俺も補佐として見ておく必要がある」
 返事を聞かずにむしり取った紙には、
 
・新総帥ともなれば部下と最初は友になるくらい親密な付き合いが必要どすえ
・月に一度は食事会があるとええですわ
・新総帥のファンクラブはいつ公認になりますやろか
 
 等々、新総帥とかなり距離を縮めたいのであろう要望がそれぞれの紙にびっしりと書かれている。
「・・・すまない、いつの間にか握りつぶしていた」
「うん、そのまま捨てといて」
 
 
 
 
 
 
「それはそうと」
「ん?」
「すぐに要望に応えなければな」
「いやいやいやいや」
「なんだ、なにかおかしいのか」
「例えばだな、この新総帥の服が卑猥だというのはどういう意味だ」
「そのままだが?」
「親父だって着てたがそんな話は聞いたことなかったぞ」
 キンタローはマジマジと、新総帥を見て溜め息をついた。
 赤い隊服の下で開襟された白いシャツを引っ張り、
「はだけすぎだ」
 と言って左右の襟を中央に引き寄せた。
 すぐに襟を広げ直したシンタローが、かっちりした服なんざ着ねえから苦しいんだと言い訳をする。
「あとこれはなんだ。新総帥の髪は結ばないでください」
「首筋が見えると欲情するからだろう」
「・・・・・」
 真顔で言い放つキンタローの目に、苦虫を噛み潰したような顔が映る。
「じゃ、じゃあこの新総帥はフレンドリーに話しかけないで欲しいっていうのはどうだ!俺は邪険にされてるってことだろ!?」
「気軽に話しかけられると勘違いしそうになるからだろう」
「・・・・・」
「すぐに改善できるものばかりでよかったな」
「組織とかの体制についての要望を聞いたつもりだったんだ・・・」
「新総帥が気をつければすぐに改善できることばかりで良かったな」
「良かった・・・?良かった・・・のか?」
 
 
 
 
 
 
「あー、この間募集した要望だが、えーっと。
 ・・・・・。
 お前ら!俺個人に関することばっかり言いやがって!
 次こんな投書しやがったやつは
 筆跡鑑定してでも誰が書いたか割り出してぶっ飛ばしてやるからな!
 ・・・・で、あー、建設的なものを求む。以上」
 
 
 
 
 
 
「逆効果だったんだって?」
「うむ。アレを書いたのは自分だ、と名前を書いて投書する輩ばかりでな」
「シンちゃん大人気だねぇ」
「ここは変態の巣窟かよ・・・」
「ということは、シンタローは変態の長だな」
「よっ!大変態!」
「ぶっ殺す」

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