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初めて手を繋いだのは、彼の相方を抱き上げた時だ。
いつも相方の背中に乗っている彼が、俺を見つめて来た。
手を差し出すと、人と手を繋いだことがない彼はおずおずと手を伸ばして来た。
届かない分は、俺が背を屈めてやることでカバーする。
自分と同じ手に手を握られて、彼は少しくすぐったそうにしていた。
それから手を繋ぐことが多くなった。
二人と一匹で食材を調達しに行くときや、夜寝るとき。
どちらからというわけでもなく、手を繋ぐ。
いや、多分俺が身を屈めて彼に手を差し出しているのだ。
もしかしたら、彼が手を伸ばしたから屈んだのかもしれない。
どっちからなのかは、とりあえずわからねぇ。
手を繋いでいる間、何故か俺達は無口になる。
話したいことは山ほどある。
聞きたいことは山ほどある。
けど、言葉を紡いではいけないような、
この空間を切り裂いてはいけないような気がする。
ただ俺達は互いの位置を手で把握しながら先へと進む。
これからも、たぶん。
いや、これからも、きっと。
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ともひと
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