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「監督の奥さんって若い方ですね」

 部室の鍵を職員室に持って来た俺の耳に、天使の声が飛び込んで来た。

 何時もの様に奇声を発しながら入ったもんだから、途端に二人から
注目されて、バツの悪さを感じながら発した奇声を途中で止めた。 「猿野さん。お疲れ様です」  ニコッと、天使が微笑んだ。  照れくさくなって頭を掻きながら「いやそれほどでも」と  口の中でモゴモゴ言った。 「あの~鍵をですね。そこの、えー、エロヒゲ先生様に
 お渡ししたく…したく存じ」  しどろもどろになりながら用件を伝えると、凪さんはクスリと笑った。  何か変なことを言っただろうかと、また慌ててなにかを言おうと思ったが  今度はエロヒゲの一言に固まってしまった。 「まぁ、それはいいから俺の『若い奥さん』についての話しでも聞いて行け」 「げ」 「なんだぁ?そのリアクションは」 「いや別に」  あんまり聞きたい話題じゃねぇなぁと思いながら、  でも凪さんの声が聞けるなら、と思い直して、 「エロヒゲの奥さんに会ったんっすか、凪さん」 「あ、いえ、会ったと言うよりも遠くから拝見しただけなんです」 「デート現場っすか」 「そう…なんですか?。
 羊谷先生があんなに嬉しそうな顔をしているのを初めて見ました」  エロヒゲは「そうか?」と、ニヤケ面を隠しもせず言った。  愛妻家のジジイにとっては当たり前の行動だが、  肉体関係までいっている俺としてはそのニヤケ面は結構ムカツク。 「あー…じゃぁ俺」  帰る、と言い掛けた俺の言葉を制して、エロヒゲが言う。 「いつ見たんだぁ?」 「えっと…一昨日ですね」 「げぇ…」  俺とデートした日じゃねぇか。  何だ、あの後また嫁さんとデートしたのかこのエロジジイ。 「何時ごろ?」 「確かお昼です。あ、アイス食べてました!」  ニヤリ、とエロヒゲが笑った。  そこまで聞いて、俺は気づく。  気づいて、たぶん顔を赤くした。 「俺そんなにニヤケ面してたか?」 「はい。すごく嬉しそうでした」 「なっ、凪さん…」  なんとなくいたたまれなくなって、俺はモジモジとし始めた。  凪さんはもう監督の奥さん…いや、女装した俺をべた褒めで  もうどうしたらいいやら俺としては身の置き場がモゴモゴ。 「ちょー幸せそうだったってよ、俺様は。猿野」 「あぁそうですか。ハイハイハイハイ!!」  思わず声を荒げると、凪さんはキョトンとした顔で俺を見た。  それがまた俺のコッパズカシ度をギュインと高めて、  俺はダッシュでその場から逃げ出した。 「エロヒゲめ…!くそう…!」  幸せそうとか夫婦みたいとか言われて  エロヒゲが満更でもなく嬉しそうにニヤニヤ笑いやがって  畜生なんだこの歯がゆい気持ち!  もうゼッテー奴と遊びに行くときに女装なんかするもんか!
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