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 今日、私は鏡の前に立った。
 目が赤く熱を持っているようだった。
 そっと触れて見た。
 冷えた手はとても冷たく感じた。
 雨で冷えた体を温めるために、私は鏡の前で服を脱いだ。
 
 
 温まった体が鏡の前に映る。
 普段は気にもせず見ていた自分の体が、酷く滑稽なものに思えた。
 今赤いのは目だけではない。
 体も上気して赤く染まっている。
 まるで全身が泣いている様だと思った考えを振り払う。
 だから目が赤いのは気にならない。
 
 
 次の日、また鏡の前に立ってみた。
 目は少し腫れていた。
 今日は何事も無く過ごせるだろうか。
 いや、過ごさなくてはならない。
 私は自己暗示をかけるように呟いた。
 
 
 その夜は、自分に問い掛けるように聞いてみた。
 答えは返ってこなかった。
 当然だ。
 鏡とはいえ映っているのは自分だから仕様がない。
 答えてくれるわけがない。
 
 
 次の日。
 答えの決まった自分の顔は少し赤く染まっていた。
 私はその顔を見て更に赤くなりながら目を離す。
 さぁ、出かけようか。
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