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猿野天国は変な歩き方をしていた。
一見してがに股。数歩眺めれば怪我をしているような歩き方。
しばらく観察した結果、筋肉痛が一番近いように思える。
あと10mほどで校門だというのに電信柱にもたれかかるところを見ると、昨日の練習は相当堪えたらしい。
その猿野天国の前に色黒の、同級生であり同じ部活の少年が現れた。
途端にしゃんとして歩き出し、朝から疲れたように歩く色黒の――犬飼に(恐らくニヤニヤと笑いかけながら)声をかけているのであろう。犬飼は近寄る猿野天国の顔面をがっちり片手で押さえ込みながら引き離そうとしているようだ。
と、外の様子を見ていた彼に声が掛けられた。
振り返るまでもなくその声の主が誰だかわかっている彼は、自分が所属する部活の部長の名を呼びながら振り返った。
「今日の昼休みにミーティングをしたいって、監督がね」
了解した彼の肩越しに窓の外を眺めた部長は、ちょうどいいねと言いながら教室を出、昇降口へ向かう。
彼は見送った。
窓の外へ視線を戻すと、校門を過ぎた猿野天国の周囲にはいつの間にか人が集まっていた。
開いた窓からにぎやかな音が微かに聞こえてくる。
「…じゃ……ちっ…!……だ!……」
何を話しているかまではわからなかった。周囲の何人かに体を小突かれた時に発した悲鳴はハッキリと聞こえた。
昇降口へ入り、姿が見えなくなる。しばらくして部長が彼のもとを再び訪れた。
「みんな下駄箱のところにいたから一気に伝えられたよ。そういえば、猿野君がね」
部長は感心しながら彼に話す。猿野天国は昨日の練習では筋肉痛にならなかったこと、ただそのあとハイヒールを履いていたらふくらはぎが筋肉痛になったこと。
「彼は体力があるね。楽しみだよ。この分なら今日は昨日よりハードでも大丈夫だね」
にこりと笑った部長に、彼は今日の部活後に出来るであろう屍に手を合わせることを心に決めた。
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