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それはまるで階段の様だった。
坂道と違うのは、落ちるたび、一段一段の衝撃が来ると言うことだ。
ときたま足元にある手すりに足が引っかかりながら、それでも落ちていく。
その時は痛いという感覚はないのだけれど。
頭を庇った腕とか。
反射的に丸めた背中から飛び出した背骨とか。
階段の角が当たって、熱い、と感じる。
早く終われ。
ただそれだけを考える。
そこに微笑む人がいたから伸ばした腕が誰かにつかまれ、気づいたら。
気づいたら落ちていた。
全身が熱い。
ただ熱い。
早く終われ。
もう終われ。
そして終わってくれと願うだけの自分に腹が立つ。
止めてくれと誰かにすがっている自分に腹が立つ。
でも自分で止められないのだから仕方がない。
そう思う自分にまた腹が立つ。
いつまで落ちるのだろう。
永遠に続くようなこの階段の、終わりはいつだ。
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プロフィール
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ともひと
性別:
非公開
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