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「この間下半身が吹っ飛んで上半身だけになっても生きてるやつがいたぞ。そいつもお前みたいに再生してたけど、もっと早かった気がするな」
「ゴッ・・・ゴボボッ」
「あ、まだ喉治ってなかったんだな。ワリィな、話しかけて。じゃ」
 通りがかりの見覚えのあるハゲが話しかけて来て、そして去っていった。
 引き止めたかったがあいにく肋から下も喉仏も無かったので、後ろ姿を見送るしかなかった。
 話していたことが本当なら相当な再生能力を持った敵だ。倒せず捕獲されている可能性が高い。となれば、研究されているだろう。なにかこの体に繋がるヒントがあるかもしれない。
 もし倒されていたとしても、鬼以上だろうからS級が相手になっているはずだ。となれば本部に記録が残っているはず。
『お疲れ様です、ゾンビマンさん。怪人の討伐報告ですか?』
「ああ、それと最近S級が相手をした敵の中に、驚異的な再生能力を持つやつはいなかったか」
『えーっと、ここ1ヶ月くらいですか?』
「ああ、そうだな。あのクソでかい宇宙船が来た時あたりからでいい」
『うーん、S級に出動を要請したものの中には無いようです』
「そうか。じゃあ捕獲された怪人では?」
『それはないです』
「・・・そうか、わかった。ありがとう」
 電話を切ってから左足の再生を待っている間に、先程見かけたハゲが新S級と一緒にいた男だということを思い出す。
 そうだ、あのとき本部にいて茶を要求していたハゲだ。
 ということはあのハゲが言っていた敵は宇宙船に乗っていた敵だったのかもしれない。投降して捕獲した敵はアマイマスクが倒したと聞くし、となればハゲが相手をしていた敵もその中にいたかもしれない。
 いや、あのときはS級が集まっていたし、どさくさに紛れて誰かが倒してしまったのかもしれない。あれだけの宇宙船を作る技術を持った世界だ。その再生技術を分析すればかなり有益な情報があっただろう。
「どちらにしろ惜しいことをしたな・・・」
「何が?」
 また唐突に声をかけられ振り向いた。
 ハゲが手にビニール袋をぶら下げて立っている。適当なサンダルを履いているところを見ると、近くに住んでいるのかもしれない。
「お前、さっきの」
「おー。あ、再生終わったんだな。おつかれさん」
 軽い男だ。頭もそう良くは無さそうだし、怪人のことを聞いても無意味だろう。
「この辺りに住んでいるのか」
「いや、今日は知り合いのとこに遊びに来てんだ」
「そうか。ああ、気をつけて行けよ。報告があった怪人は全部倒したはずだが、報告漏れがあったかもしれない」
「おー」
 じゃあな、と手を振って男が去った。転がっている靴やらを探して履き、帰り道に潰れた怪人を3体発見する。いずれも上半身が跡形もなく吹っ飛んでいた。
 また本部に連絡をするが、S級は誰も応援に来ていないらしい。しかしどうみても一発でなぎ倒されている。一体誰が片付けたのか。
「案外、タツマキが通りがかりに倒したのかもしれないな」
 あいつならこのくらい朝飯前だろう。頭部を適当に吹っ飛ばした形跡から見て、ありえない話ではない。
 再び歩きだしてからガポッという音と気色の悪さに、足を止めて下を見た。右足の靴の裏が剥げている。保った方だが、そろそろ修理も限界かもしれない。
 そのまま歩くとがっぽがっぽとひどく歩きづらかったので、脱いで怪人のそばへ投げ捨てた。後で本部が回収するだろう。
 少し気に入っているデザインだった。まだ同じものが売っていることを祈って、明日は朝から靴屋に行く決心をした。
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