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「ちょっとやばいかも?」
グルガーはルシエルの様子を見るなりそう言って、横にいた兄のガルバをちらりと見た。
ガルバは頷いて、すぐに食堂を出て行く。その背中を見送ったグルガーは、食堂にひとり残る青年を見た。
銀色の頭がカウンターに臥せっている。それは数年前までよく見る光景だったので、少し懐かしいとまで思った。気絶しそうなほどの異臭でこれ以上近づけないのはおいといて、だ。
カウンターの前に置いておいた、物体Xが入っていたはずのコップがすべて空になっている。
せめてと思いコースターで蓋をしていたはずのコップなのだが。
「ルシエル、まさかだけど全部飲んだのか?」
ルシエルに飲ませるためじゃない。
確かにルシエルが座るカウンターの前に置いてはいたが、冒険者たちに飲ませるために置いていたのだ。冒険者たちを呼びに行ったたった数秒の間に、何故ルシエルはこんなことを。
「飲む量が……増えたら上がりも増えるかと思って……」
「はぁ?」
「おい、なにがあった!?」
ガルバと戻って来たブロドにグルガーが惨事を説明する。惨事と言ってもルシエルの自爆であるので、短い説明を聞き終わったブロドは青くしていた顔に血色を戻したついでに深いため息をついた。
おぼつかない足で立ち上がりピュリフィケーションを発動したルシエルがふらりと頭を揺らす。10歩の距離を一歩で詰めたブロドがその体を受け止め、肩に担いだ。
「今日の訓練の分は明日に回すからな」
「すみません、師匠……」
「ガルバ、今日はこいつの部屋は立ち入り禁止だって受付に伝えておいてくれ」
「ああ」
「見舞いも不要だ。くれぐれもこいつに近づけないようにな」
「わかった」
なんでそんなに、と背中から涙目に訴える声が聞こえる。
その疑問は、ブロドがルシエルの部屋のベッドにルシエルを放り投げたときに明かされた。
「体が熱いだろ?」
「は……い」
「理性もぐらつくぐらいの量を飲んでるんだ。ここにモニカたちが来てみろ」
「な、なんですか、俺そんな獣扱いされるような」
「右手を見てみろ、右手を」
訝し気な顔をしたルシエルが自分の肩から視線をたどって降ろす。
ベッドの横で仁王立ちしたブロドも見下ろしている自分の右手が股間をおさえていることに気が付き、ルシエルは奇声を上げて頭から布団をかぶった。
「ななななななななああああれは俺の手じゃ」
「お前の手じゃなかったら誰だっていうんだよ……」
「うわ本当ですね怖いこと言いました……」
布団越しの返事が思ったより元気で、ブロドは苦笑しながら息を吐いた。
「ありゃあ多少興奮というか……まあ、そういうものだが、あんだけ飲んだらなあ」
「うぅ」
「なんだ?いくらお前が成人したばかりでも、まさか"ヤリ方"がわからねえわけじゃねえだろ」
「いやそんな!当然それはわかりますけどなんか、決定打にかけるっていうか」
「お前俺がまだここにいるのに始めてんのか!?」
「え!?!?うわ本当だ俺どうしちゃったんだろおかしいんです師匠はやく出てってください!」
はぁ、と大きなため息がブロドから漏れた。
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