忍者ブログ
HPから移転しました。
| Home | Info | 更新履歴 | バハラグ | オーフェン | 頭文字D | FF7 | ミスフル | PAPUWA | ブラックジャック | 結界師 | 鋼錬 | DARK EDGE | FE聖戦 | トルーパー | コナン | ワンパンマン | T&B | クロサギ | 宇宙兄弟 | DP | なろう系 | メダリスト |
[34]  [356]  [397]  [396]  [395]  [394]  [393]  [392]  [390]  [389]  [388
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 息子が風呂から出てきた。
 ドライヤーの音がする。髪を乾かしているのだろう。
 今日の出来事を書いたノートをざっと見直してから、閉じて立ち上がった。
 脱衣所に入ると鏡越しに理鳳と目が合った。
 少し前までは目が合うことも少なくなっていたし、陰のある視線を受けていたが、最近は違う。
 明確に、ルクス東山FSCに行ってから変わったのだ。
 ルクス東山から帰って来たその日、私の目の前で三回転+二回転を飛んだ理鳳からは、気負いすぎともいえた気迫が消えていた。
 それどころか飛び終わった後に誇らしげに、けれど年相応の顔で笑ったのだ。
 私は嬉しかった。
 明浦路先生への感謝がこみ上げ、あふれそうだった。
 何度思い出しても、あの時の理鳳のジャンプは素晴らしかった。私の心に残ったのだ。
「にやつき過ぎじゃね?」
「ん?」
 服を脱いでいると、ドライヤーを置いた理鳳が言った。
 そうだろうか。
「んじゃ、おやすみ」
「ああ、おやすみ」
 数日見ないうちにまた背が伸びただろうか。
 段々と青年になっていく息子を見送って、私は風呂への扉を開けた。
 そしてすぐに窓を少し開き、排水溝の蓋を開ける。
 そこには流れ切らない白い液体がトラップにたまっていた。
 息子の成長をいろんな形で実感するが、こういったことの指導はどうすればいいのだろうか。
 直接言うことは憚られる。
 男友達などの第三者から情報を得る機会があればいいのだが。

 それはそうと、彼の思い人は誰なのだろう。
 単に性欲だけかもしれないが、鈍いと言われる私と違い、妻は初恋だろうと言っていた。
 やはりルクス東山の誰かなのだろうか。
 いつかその話ができるといい。

 体を湯に沈めて、私は深く息を吐いた。
PR
Powered by Ninja Blog Template by CHELLCY / 忍者ブログ / [PR]