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 彼女は椅子を引き、深く腰掛けた。
 息を吐き出し、肩の力を抜く。
 閉じていた目を開け、デスク右下の棚に手を伸ばした。

 ガチャ カラララ・・・

 鍵を開け、引く。
 殺風景なその棚の中には、ノートが入っていた。

 布製のハードカバー。
 色は赤。
 題名は無い。
 角に金属があしらわれた、そのノートを、彼女は開いた。
 デスクの隅に置かれたペンとインクを引き寄せ。
 彼女は綴り始めた。

























































 大佐は今日も鋼の錬金術師の側から離れませんでした。
 書類は相も変わらず山積みになっています。
 私は見ました。
 あの2人がイチャイチャと、忙しい私の横ではしゃいでいるのを。















 彼女は思わず力を込めていたことに気づいた。
 落ち着けるため、また一度、深呼吸をする。
 そして再びペンを握りなおし、ノートへ向かう。
















 大佐に謝ってもらわなければなりません。
 私のこの忙しさを知っているのですから。
 ・・・今日、あの二人のせいで遅れた仕事は、大佐にしていただきましょう。
 跪いて謝罪していただかなければ。

 私の気持ちを知ってのことなのでしょうね、大佐。

 さぁ、謝罪してください。
 泣き叫んでも構いません。えぇ、一向に構いませんよ。
 もちろん。
 いまさら何を言っても遺言にしかならないと思いますが。
 さぁ、言って下さい。謝罪してください。

 私が好きだと呟いてくださればそれでよかったのに。


















 彼女はまたハタと気づいた。
 ペンを置き、肩を少し解すように動かす。


















 今書いたページをパタパタと仰ぎ、彼女は乾いたことを確認してから、
本を閉じた。
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