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一枚落ちると取りたくなる。
腕を伸ばして、それを手の中に納めたくなる。
数枚落ちると見たくなる。
一歩離れ、ベンチに座り、記憶に納めたくなった。
やがて葉は乱舞する。
落ちた葉が舞い上がる。
彼は危うかった。
だから近寄った。
彼は頑なだった。
俺も頑なだった。
いつだったか、彼が俺の前で涙を流したことがある。
試験に落ちたときだったか。
思わず腕を伸ばして抱きしめた。
彼は嗚咽も漏らさずただただ涙だけを流してた。
彼は儚げだった。
だから見ていた。
空を見上げ立ち尽くす。
そんな彼を見ていた。
ニブルヘイムへ行くことになった。
俺がそう告げると、彼は驚いた顔をしていた。
故郷なのだそうだ。
懐かしそうに。そして少し哀しそうに。
俺は見ることしか出来なかった。
まるで錯乱したかのような。
いやそれはむしろ。
何かを失って嘆くような。
彼の声。
彼の手は震えていた。
膝は地に付いていた。
目は見開かれていた。
何を
そんなに驚くクラウド
あぁ
もう夜なのか?
参ったな
参ったな
お前が見えなくなってくよ
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ともひと
性別:
非公開
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