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『博士…、俺にもちょうだい…』









「宝条博士」
「ん?」
 
 慌てて私の元へやってきた所員が乱暴に私を呼んだ。
 少しの不満があるが彼の性格ならしようがないと諦める。
 
「またカプセルの中の男がさわいでます」
 
 そして、やはり彼の言うことはどうでもいいことである。
 
「カプセル…あぁ、地下の」
「金髪の方です。どうしますか?」
 
 放っておきなさい、と言ってから少し考える。
 
「やはり私が行きましょう。貴女方はその辺の掃除でもしていてください」
「はっ、はい」
 
 私は出来の悪い所員を残して部屋を出た。
 部屋を出て直ぐに右手にある、二階へと続く階段をゆっくり登る。
 
「今日は何をしてあげましょうかね…」
 
 地下に並ぶ二つのカプセル。
 私の可愛いサンプルたち。
 
 
 
 金髪の少年の壊れた精神と、少年をもてあそぶ私の歓喜の前に、
 黒髪の優秀なサンプルはカプセルを拳で叩き割らんとする。
 
 なんと楽しい一時であろうか。
 
 
 
 
 
 開け放たれたままの地下への螺旋階段を一歩、また一歩と踏みしめる度、
 私の心に歓喜が満ちる。
 
 今日はあの少年は何と言って私を楽しませてくれるのだろう。
 
 
 また私にナンバーをねだるのだろうか。
 あの淫美な腰で。
 
 
「クックックッ」
 
 
 私の研究に終わりはないようだ。
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